
Portfolio

CLIENT: 那珂市関連事業
CATEGORY: Graphic Design / Poster Design / Illustration / Art Direction
茨城県那珂市に2027年のオープンが予定されている「道の駅」。その建築デザインを担当する建築家・藤森照信氏の講演会に向けた告知ポスターを制作しました。
講演会のテーマは「自然を生かした建築と道の駅」。新たな道の駅の整備を通じて、那珂市のこれからのまちづくりや、自然と建築の関係について考える機会となるイベントです。
今回のポスターデザインでは、講演会の開催情報をわかりやすく伝えることに加え、藤森照信氏の建築が持つ独自の世界観を、グラフィックデザインとして表現することを目指しました。
制作にあたって参考にしたのは、藤森氏がこれまでに手がけてきた建築作品と、スタジオジブリの宮崎駿監督との対談が収録された『ジブリの立体建造物展』の図録です。
藤森氏の建築には、木や土、植物などの自然素材を生かした表現や、周囲の風景との関係を大切にする姿勢が見られます。また、独創的な形状や素材の扱いによって、建築物でありながら、どこか物語の中に登場する建物のような親しみや温かさを感じさせることも特徴です。
こうした建築の魅力を伝えるため、今回のポスターでは、一般的な建築イベントに見られる完成予想図や写真を中心とした構成ではなく、手描きのイラストレーションを主体としたグラフィック表現を採用しました。
メインビジュアルには、画面いっぱいに広がる木々を配置しています。一本一本の木を手描きのイラストとして制作し、形状や線の表情に変化を持たせることで、自然が持つ不規則さや有機的な美しさを表現しました。
木々のシルエットは、現実の風景をそのまま再現するのではなく、少し誇張した形状で描いています。鮮やかなグリーンとブルーの組み合わせによって、自然の豊かさや生命力を感じさせながら、どこか絵本のような親しみやすさを持たせました。
また、画面の中には鳥や小さな動物を思わせるモチーフを配置し、自然の中にさまざまな生き物が共存する様子を表現しています。建築そのものを主役にするのではなく、建築を取り巻く環境や風景までを含めて捉えることで、藤森氏の建築思想と講演会のテーマを視覚的につなげています。
タイポグラフィでは、「那珂市の未来をつくる『道の駅』」というメッセージを大きく配置しました。縦組みの文字を木々の間に重ねることで、文字とイラストが一体となった構成とし、自然の風景の中にメッセージが現れるような表現を目指しています。
ポスター下部には、講演会のタイトル、開催日時、会場、講師プロフィールなどの情報を整理して配置。メインビジュアルの持つ自由な表現と、イベント告知として必要な情報の読みやすさを両立させています。
背景には紙の質感を思わせる柔らかな色合いを採用し、手描きのイラストレーションと調和するように設計しました。デジタルで制作するグラフィックでありながら、手仕事の温もりを感じられる表現を意識しています。
また、道の駅の完成イメージを伝える要素として、建築のイメージ図もレイアウトに取り入れました。イラストによる物語性のある表現と、具体的な施設のイメージを組み合わせることで、講演会のテーマをより身近に感じてもらえる構成としています。
今回のポスターデザインで大切にしたのは、藤森照信氏の建築作品を単に模倣するのではなく、その背景にある自然へのまなざしや、建築を通じて生まれる人と環境との関係を理解し、グラフィックとして再構成することです。
建築家の講演会という専門的なテーマであっても、建築に詳しい人だけに向けたものではなく、地域に暮らす人々や、これからの那珂市に関心を持つ幅広い世代に届けたいと考えました。そのため、難解な表現や過度に洗練されたビジュアルではなく、誰もが自然と目を向けたくなるような、楽しさと親しみやすさを備えたデザインを目指しています。
株式会社Piece of CAKEでは、ポスターや広告などのグラフィックデザインにおいて、伝える対象の背景や考え方を理解することを大切にしています。
今回のプロジェクトにおいても、藤森氏の建築作品や言葉を手がかりに、自然と建築の関係を読み解き、その特徴をイラストレーション、タイポグラフィ、色彩、レイアウトへと落とし込みました。
講演会の情報を伝えるだけでなく、その先にある那珂市の未来や、新しい道の駅への期待感を育むこと。
自然の豊かさと手描きの温もりを通じて、建築と地域のこれからを考えるきっかけとなるポスターデザインを制作しました。
伝えたいことを整理し、伝わる形を考える。
グラフィックデザインは、情報を美しく配置するだけの仕事ではありません。誰に、何を、どのように伝えるのかを考え、見る人の理解や関心につながるコミュニケーションを設計することだと私たちは考えています。
Piece of CAKEでは、ポスター、パンフレット、冊子、広告、広報誌など、さまざまなグラフィックデザインに取り組んでいます。制作にあたっては、まず伝えるべき内容や背景を理解し、情報の優先順位や構成を整理することから始めます。
写真、タイポグラフィ、色彩、余白、レイアウト。それぞれの表現には役割があり、組み合わせによって情報の見え方や受け取られ方は大きく変わります。だからこそ、表面的な装飾に頼るのではなく、目的や内容に応じた適切な表現を選ぶことを大切にしています。
紙媒体ならではの質感や一覧性、編集によって生まれる情報の流れも、グラフィックデザインの重要な要素です。伝えたいことが正しく届き、見る人の記憶や行動につながること。私たちは、情報と人との関係をつくるグラフィックデザインを目指しています。
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株式会社Piece of CAKE(ピースオブケイク)は、茨城県水戸市を拠点とするデザイン事務所です。グラフィックデザイン、Webサイト制作、ブランディング、映像制作などのクリエイティブ支援を行っています。また、自社メディア「Piece of CAKE Editorial View」にて、AIとデザインの最新動向を発信しています。ブランドのアイデンティティ構築やロゴ制作のご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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