EN

Portfolio

#14 Graphic Design

  • Graphic Design

  • Brand Structure

  • Creative Direction

CAFÉ BONSOIRÉE|月明かりの下で、自分と対話する時間をつくる。

CLIENT: 株式会社Piece of CAKE(自主企画)
CATEGORY: Branding / Graphic Design / Poster Design / Art Direction / Event Planning

PROJECT OVERVIEW

会話が制限された時代に生まれた、静かな夜の読書体験。

株式会社Piece of CAKEが新型コロナウイルス感染症の流行期に構想した自主企画「CAFÉ BONSOIRÉE(カフェボンソワレ)」のイベント企画およびポスターデザインを制作しました。

この企画が生まれたきっかけは、コロナ禍における人々の生活の変化でした。

外出や人との交流が制限され、飲食店などでは会話を控えることが求められるようになった当時、私たちは、日常の中にあった人とのコミュニケーションや、自由に時間を過ごすことの意味について考えるようになりました。

人と会うことや会話を楽しむことが難しいのであれば、あえて一人で過ごす時間を楽しむ方法はないだろうか。

そんな問いから生まれたのが、屋外で本を読むというアイデアです。

秋から冬にかけては空気が澄み、虫も少なくなり、屋外でも比較的落ち着いて過ごせる季節です。夜空に浮かぶ月を眺めながら、月明かりを頼りに本を開く。誰かと会話を交わす代わりに、物語や言葉を通じて自分自身と向き合う。

「CAFÉ BONSOIRÉE」は、そんな静かな時間をつくるための企画として構想しました。

読書を単に本の内容を理解する行為としてではなく、日常から少し離れ、自分の考えや気持ちに目を向けるための時間として捉えています。

普段の生活では、仕事や家事、スマートフォンから流れてくる情報など、さまざまなものに意識が向けられています。その中で、何も急がず、一冊の本と向き合う時間を意識的につくることには、特別な意味があるのではないかと考えました。

今回、この構想が茨城県桜川市の地域おこし協力隊が主催するイベント「桜源郷」の中で実現することとなり、企画の世界観を伝えるためのポスターデザインを制作しました。

グラフィックデザインのコンセプトは、フランスらしい洗練された雰囲気と、月明かりの下で読書を楽しむ静かな時間です。

ポスター全体には、夜空を思わせる深いブルーを採用しました。暗闇を単なる黒で表現するのではなく、青みを帯びた色彩によって、夜の静けさや空気の透明感を感じられるようにしています。

背景には柔らかな雲と三日月を配置し、夜空の奥行きや月明かりの存在を表現しました。月は大きく強調するのではなく、画面の中に控えめに浮かぶ存在として描くことで、静かな夜の雰囲気を大切にしています。

メインビジュアルには、本を読む人物のイラストレーションを配置しました。

積み重ねられた本に腰掛け、一冊の本を開く人物の姿を、白い線画によってシンプルに表現しています。写実的なイラストではなく、少し力の抜けた手描きの表情を持たせることで、読書という行為を堅苦しく感じさせず、誰もが気軽に参加できる企画であることを伝えています。

人物の周囲には十分な余白を設け、夜空の広がりや一人で過ごす時間の静けさを感じられる構成としました。

また、タイトルの「CAFÉ BONSOIRÉE」には、フランスらしいクラシックな雰囲気を持つセリフ体を採用しています。繊細な文字の造形によって、上品さや落ち着きを感じさせながら、ポスターの上部に大きく配置することで、イベントの名称を印象的に伝えています。

一方、開催日時や会場などの情報には、視認性の高いサンセリフ体を使用しました。クラシックなタイポグラフィと現代的な文字組みを組み合わせることで、フランスの文化を思わせる雰囲気と、イベント告知としてのわかりやすさを両立させています。

ポスター下部には、企画に関わるロゴを整理して配置し、メインビジュアルの世界観を損なわないように構成しました。

今回のデザインで大切にしたのは、イベントの内容を説明するだけではなく、その場所でどのような時間を過ごせるのかを、見る人に想像してもらうことです。

月明かり、夜空、読書する人物、静かな色彩。これらの要素を組み合わせることで、実際にその場所を訪れ、本を開いているような情景が自然と思い浮かぶポスターを目指しました。

「CAFÉ BONSOIRÉE」は、もともとコロナ禍という特殊な社会状況から生まれた企画ですが、その考え方は当時だけに限られるものではありません。

誰かと過ごす時間が大切であるのと同じように、一人で過ごす時間にも価値があります。何かを消費したり、特別な体験を求めたりするだけでなく、身近にある自然や季節の変化を感じながら、自分自身と向き合う時間をつくること。

それは、日常の過ごし方を少し変えるだけで生まれる、新しい豊かさの一つではないかと考えています。

株式会社Piece of CAKEでは、デザインを制作物の見た目を整えるためだけの仕事とは考えていません。

身近な出来事や社会の変化に目を向け、そこにある課題や可能性を発見し、新しい体験やコミュニケーションのあり方を考えることも、デザインの重要な役割だと捉えています。

「CAFÉ BONSOIRÉE」は、社会の制約をきっかけに生まれた小さなアイデアを、実際の体験へとつなげた自主企画です。

何か新しい施設や特別な設備を用意するのではなく、夜空と月明かり、そして一冊の本という身近なものから、これまでとは少し違う時間の過ごし方を提案する。

企画の発想からイベントの実現、そしてその世界観を伝えるグラフィックデザインまで。

「月明かりの下で、自分と対話する」という一つの考えを、体験と視覚表現の両面から形にしたプロジェクトです。


GRAPHIC DESIGN

伝えたいことを整理し、伝わる形を考える。

グラフィックデザインは、情報を美しく配置するだけの仕事ではありません。誰に、何を、どのように伝えるのかを考え、見る人の理解や関心につながるコミュニケーションを設計することだと私たちは考えています。

Piece of CAKEでは、ポスター、パンフレット、冊子、広告、広報誌など、さまざまなグラフィックデザインに取り組んでいます。制作にあたっては、まず伝えるべき内容や背景を理解し、情報の優先順位や構成を整理することから始めます。

写真、タイポグラフィ、色彩、余白、レイアウト。それぞれの表現には役割があり、組み合わせによって情報の見え方や受け取られ方は大きく変わります。だからこそ、表面的な装飾に頼るのではなく、目的や内容に応じた適切な表現を選ぶことを大切にしています。

紙媒体ならではの質感や一覧性、編集によって生まれる情報の流れも、グラフィックデザインの重要な要素です。伝えたいことが正しく届き、見る人の記憶や行動につながること。私たちは、情報と人との関係をつくるグラフィックデザインを目指しています。


クリエイティブパートナーをお探しの方へ

株式会社Piece of CAKE(ピースオブケイク)は、茨城県水戸市を拠点とするデザイン事務所です。グラフィックデザイン、Webサイト制作、ブランディング、映像制作などのクリエイティブ支援を行っています。また、自社メディア「Piece of CAKE Editorial View」にて、AIとデザインの最新動向を発信しています。ブランドのアイデンティティ構築やロゴ制作のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

→ 【企業の変化を見る】Becoming Stories
     https://note.com/poc_design/m/mfa19d5a86453

→ 【私たちについて】Piece of CAKEについて知る
     https://note.com/poc_design/m/m1cce9c8df87b

→ 【公式サイト・お問い合わせ】
     https://pieceofcake-design.com/

-

Tomohiro Yonekawa

-#14 Graphic Design

-