
Portfolio

CLIENT: 北茨城市観光関連事業
CATEGORY: Editorial Design / Graphic Design / Photography / Art Direction / Tourism Promotion
茨城県北茨城市の観光ガイドブック「TRAVEL NOTES from Kitaibaraki」の制作を担当しました。
本プロジェクトでは、企画構成から取材・撮影、編集、グラフィックデザインまでを一貫して手がけ、北茨城市が持つ風景や文化、地域の魅力を、旅する人の視点から伝える観光冊子を目指しました。
北茨城市は、海と山に囲まれた豊かな自然環境を持ち、芸術や文化とも深い関わりのある地域です。市としても「アートのまち」という魅力を発信していく方向性がある中で、今回の制作では、芸術文化に関する情報だけでなく、北茨城市という土地がもともと持っている美しさを、どのように表現するかを大切にしました。
観光ガイドブックには、観光施設や飲食店、宿泊施設、アクセスなど、さまざまな情報を掲載する役割があります。しかし、情報をできるだけ多く掲載することが、必ずしも読み手にとって魅力的な冊子につながるとは限りません。
特に自治体が発行する観光媒体では、情報の網羅性が優先されることで、一つひとつの場所が持つ魅力や、その土地ならではの空気感が伝わりにくくなる場合があります。
そこで今回の制作では、情報を詰め込みすぎるのではなく、写真や文章、余白を通じて、北茨城市を訪れることそのものへの期待感を育む編集方針を採用しました。
コンセプトは、「訪れた人が追体験できる、手元に残しておきたくなる観光ガイドブック」 です。
冊子を見た人が、掲載された風景を実際に訪れ、同じ場所に立ち、同じような構図で写真を撮ってみたくなること。写真の中に写る町並みや海岸、飲食店を眺めながら、自分自身がその場所を歩いている姿を想像できること。
単に観光スポットを紹介するのではなく、誌面を通じて旅のイメージを膨らませ、実際の行動へとつながるコミュニケーションを目指しました。
そのため、今回のガイドブックでは写真の役割を特に重視しています。
北茨城市の代表的な景観である海岸線や、町の中にある何気ない風景、地域の人々が営む店舗などを、観光地としての記録写真ではなく、旅の途中で出会う情景として捉えました。
表紙には、北茨城市を象徴する海の風景を大きく配置しています。青い空と海、砂浜、そして特徴的な岩の造形を生かした写真によって、北茨城市が持つ自然の美しさを端的に表現しました。
タイトルの「TRAVEL NOTES」は、旅先で見つけた風景や出来事を書き留めるノートをイメージしたものです。
観光地を案内するためのガイドブックでありながら、旅の記録や個人的な発見を集めた一冊のように感じてもらうことで、一般的な観光パンフレットとは異なる距離感をつくることを意識しました。
誌面では、写真を大きく扱うページと、複数の写真や文章を組み合わせるページに変化を持たせています。
例えば、町の飲食店を紹介するページでは、料理や店舗の外観だけでなく、店内の雰囲気や人の姿、周囲の風景などを組み合わせることで、その場所を訪れたときの体験を立体的に伝える構成としました。
一枚の写真ですべてを説明するのではなく、複数の視点を組み合わせることで、訪れた人がどのような時間を過ごせるのかを想像できるようにしています。
また、人物を取り入れた撮影では、風景の中に人が存在することで生まれるスケール感や、実際に旅をしているような臨場感を大切にしました。
観光地そのものを美しく撮影することに加え、その場所で人がどのように過ごすのかを表現することで、読み手が写真の中に自分自身を重ねられることを目指しています。
グラフィックデザインでは、写真の魅力を最大限に生かすため、過度な装飾を避けたシンプルなエディトリアルデザインを採用しました。
タイポグラフィや文字の大きさ、余白の取り方を整理し、写真と文章がそれぞれの役割を果たせるレイアウトを設計しています。
特に、写真の持つ色彩や光、構図を損なわないように配慮しながら、誌面全体に一定のリズムを持たせることを意識しました。
情報量の多いページでも、すべての要素を同じ強さで見せるのではなく、写真、見出し、本文、施設情報という優先順位を明確にしています。
これにより、読み物として楽しめることと、実際の旅行で必要な情報を確認できることの両立を図りました。
また、北茨城市が発信していきたい「アートのまち」という方向性についても、芸術文化に関する情報を掲載するだけでなく、冊子全体の編集や写真表現を通じて伝えることを考えました。
アートとは、必ずしも美術館や作品の中だけに存在するものではありません。
日常の中にある風景や、長い時間をかけて形づくられてきた町並み、自然が生み出す造形にも、美しさや発見があります。
今回の制作では、そうした北茨城市が本来持っている魅力を、どれだけ丁寧に見つけ出し、写真やデザインとして表現できるかにこだわりました。
有名な観光地だけを強調するのではなく、町を歩く中で出会う何気ない景色にも目を向けること。それによって、訪れる人にとっての北茨城市の魅力を、より広い視点から伝えられると考えています。
そして、今回のプロジェクトで重視したもう一つの要素が、冊子そのものの価値です。
観光ガイドブックは、旅行前に情報を調べるためだけのものではありません。旅の途中で持ち歩き、訪れた場所を確認したり、帰宅後にページをめくりながら思い出を振り返ったりすることもできます。
そのため、旅行が終わった後も捨てずに手元に残しておきたくなるような、雑誌や写真集に近い感覚の冊子を目指しました。
写真の見せ方や文章の分量、ページ構成、全体のトーンを丁寧に調整し、行政が発行する観光媒体としての情報性を保ちながら、一冊の読み物としての完成度を追求しています。
株式会社Piece of CAKEでは、エディトリアルデザインを単に情報を誌面に配置する作業とは考えていません。
何を伝えるべきなのか、どのような順番で見せるのか、どのような写真や言葉で表現すれば読み手に届くのか。そうした編集の視点から、情報の見え方と伝わり方を設計することを大切にしています。
今回の北茨城市観光ガイドブックにおいても、撮影と編集、デザインをそれぞれ独立した工程として捉えるのではなく、一つの目的に向けて連動させました。
写真を撮る段階から誌面での使い方を考え、編集では写真と文章の関係を整理し、デザインでは読み手が旅の情景を想像できるように構成する。
企画から完成までを一貫して手がけることで、冊子全体に統一された視点と表現を持たせています。
北茨城市が持つ自然の美しさ、町の風景、地域の人々の営み、そして芸術文化。
それらを観光情報として並べるのではなく、旅する人の視点から再編集し、新しい発見につながる一冊へ。
町の魅力を伝えるだけでなく、その場所へ行きたくなること。そして、訪れた後も手元に残しておきたくなること。
北茨城市の持つ本来の美しさを、写真・編集・グラフィックデザインによって表現した観光ガイドブックです。
伝えたいことを整理し、伝わる形を考える。
グラフィックデザインは、情報を美しく配置するだけの仕事ではありません。誰に、何を、どのように伝えるのかを考え、見る人の理解や関心につながるコミュニケーションを設計することだと私たちは考えています。
Piece of CAKEでは、ポスター、パンフレット、冊子、広告、広報誌など、さまざまなグラフィックデザインに取り組んでいます。制作にあたっては、まず伝えるべき内容や背景を理解し、情報の優先順位や構成を整理することから始めます。
写真、タイポグラフィ、色彩、余白、レイアウト。それぞれの表現には役割があり、組み合わせによって情報の見え方や受け取られ方は大きく変わります。だからこそ、表面的な装飾に頼るのではなく、目的や内容に応じた適切な表現を選ぶことを大切にしています。
紙媒体ならではの質感や一覧性、編集によって生まれる情報の流れも、グラフィックデザインの重要な要素です。伝えたいことが正しく届き、見る人の記憶や行動につながること。私たちは、情報と人との関係をつくるグラフィックデザインを目指しています。
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株式会社Piece of CAKE(ピースオブケイク)は、茨城県水戸市を拠点とするデザイン事務所です。グラフィックデザイン、Webサイト制作、ブランディング、映像制作などのクリエイティブ支援を行っています。また、自社メディア「Piece of CAKE Editorial View」にて、AIとデザインの最新動向を発信しています。ブランドのアイデンティティ構築やロゴ制作のご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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