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#17 Graphic Design

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筑波大学大学院|自然保護寄附講座の学びと活動を伝えるパンフレットデザイン

CLIENT: 筑波大学大学院
CATEGORY: Graphic Design / Editorial Design / Illustration / Art Direction

PROJECT OVERVIEW

学びを伝えるデザインが、新しい学びの機会にもなる。

筑波大学の「自然保護寄附講座」を紹介するガイドパンフレットのデザインを制作しました。

今回の制作では、講座の内容や活動の全体像をひと目で理解できること、そして日本人だけでなく外国人にも情報が伝わることを大切にしました。自然保護という幅広いテーマを扱う講座だからこそ、専門的な内容をわかりやすく整理し、これから学ぼうとする人が講座の特徴や魅力を自然に理解できるパンフレットを目指しています。

デザインにあたって重視したのは、自然保護に関わる多様な活動を、視覚的な表現によって伝えることです。

表紙には、山々や森林、水辺、鳥類、植物、自然の中で活動する人々などを描いたイラストレーションを採用しました。自然環境の豊かさと、そこに関わる人々の姿を一つの風景として構成することで、講座が扱う領域の広がりを直感的に感じられるデザインとしています。

イラストは細い線を中心としたシンプルな表現とし、自然が持つ複雑さや多様性を残しながらも、全体として落ち着いた印象になるように設計しました。

カラーリングには自然を連想させるグリーンをアクセントとして使用し、白を基調とした余白のあるレイアウトを採用しています。過度な装飾を避けることで、イラストレーションの繊細な表情と、講座に関する情報の読みやすさを両立させました。

また、日本語と英語を組み合わせた表記によって、国内外の学生や関係者が利用することを想定した情報設計を行っています。日本語では「自然保護寄附講座 ガイドパンフレット」、英語では「A Guide to Certificate Programme on Nature Conservation」と表記し、講座の内容が異なる言語環境でも認識できるようにしました。

今回のプロジェクトには、もう一つ、私たちにとって大切な取り組みがありました。

表紙の背景に使用したイラストレーションは、Piece of CAKE代表・米川の息子が、中学3年生のときに制作したものです。

当時、彼は将来、デザインやイラストレーションを仕事にしたいと考えていました。その思いを知る中で、教育機関のパンフレットという実際の制作物を通じて、自分の描いたものが社会の中で使われ、人の手に渡る経験をしてもらうことはできないだろうかと考えました。

そこで、今回の制作にあたり、本人がイラストレーションを担当する機会を設けられないかと相談したところ、快く了承していただきました。

もちろん、教育的な経験であることと、制作物としての品質を保つことは、別々に考える必要があります。

実際に大学の講座を紹介するパンフレットである以上、求められるのは、講座の内容が正しく伝わり、視覚的にも完成度のあるデザインです。そのため、イラストレーションを単に使用するのではなく、パンフレット全体の構成や情報設計、タイポグラフィ、色彩との関係を考えながら、一つのグラフィックデザインとして成立させることを大切にしました。

手描きの線が持つ素直な表情や、自然を観察して描くことから生まれる細かな描写は、自然保護という講座のテーマとも調和しています。

完成された図案や素材を組み合わせるだけでは生まれない、描き手自身の視点や感性が加わることで、パンフレットに独自の表情を持たせることができました。

そして、何より重要だったのは、自分が描いたイラストレーションが、実際に印刷され、大学の講座を紹介するパンフレットとして人の手に渡るという経験です。

デザインやイラストレーションを学ぶ過程では、自分のために作品を制作することと、誰かに情報を伝えるために制作することの間に、大きな違いがあります。

目的や対象を理解し、求められる品質を考えながら表現すること。そして、完成したものが社会の中でどのように使われるのかを知ることは、ものづくりを仕事として考えるうえで貴重な経験になります。

その後、彼は美術系の大学へ進学し、現在も学びを続けています。

今回の経験がその進路にどのような影響を与えたのかを、一つの出来事だけで語ることはできません。しかし、中学生のときに実際の制作に関わり、自分の表現が社会と接点を持つ経験ができたことには、大きな意味があったと考えています。

このプロジェクトは、大学の講座を紹介するためのパンフレット制作であると同時に、教育という場で、次の世代の表現者に実践の機会をつくる取り組みでもありました。

教育のために制作物の品質を妥協するのではなく、求められるクオリティを保ちながら、若い世代の挑戦や成長の機会を生み出すこと。その両方を実現できたことは、今回の制作における大きな特徴です。

株式会社Piece of CAKEでは、グラフィックデザインを、情報を整理して伝えるためだけの仕事とは考えていません。

誰が、何を、誰に伝えるのか。その目的や背景を理解したうえで、適切な表現を考え、形にすることを大切にしています。また、制作の過程で生まれる人との関わりや、新しい可能性にも目を向けています。

今回の筑波大学のパンフレット制作においても、自然保護という講座の内容をわかりやすく伝えることを基本としながら、イラストレーションを通じて次の世代の挑戦を支える機会をつくりました。

学びを伝えるためのデザインが、同時に新しい学びの経験にもなる。

情報を伝えること、表現の品質を追求すること、そして人が成長する機会をつくること。

それらが一つの制作プロジェクトの中で結びついた、Piece of CAKEにとっても意義のあるエディトリアルデザインの事例です。


GRAPHIC DESIGN

伝えたいことを整理し、伝わる形を考える。

グラフィックデザインは、情報を美しく配置するだけの仕事ではありません。誰に、何を、どのように伝えるのかを考え、見る人の理解や関心につながるコミュニケーションを設計することだと私たちは考えています。

Piece of CAKEでは、ポスター、パンフレット、冊子、広告、広報誌など、さまざまなグラフィックデザインに取り組んでいます。制作にあたっては、まず伝えるべき内容や背景を理解し、情報の優先順位や構成を整理することから始めます。

写真、タイポグラフィ、色彩、余白、レイアウト。それぞれの表現には役割があり、組み合わせによって情報の見え方や受け取られ方は大きく変わります。だからこそ、表面的な装飾に頼るのではなく、目的や内容に応じた適切な表現を選ぶことを大切にしています。

紙媒体ならではの質感や一覧性、編集によって生まれる情報の流れも、グラフィックデザインの重要な要素です。伝えたいことが正しく届き、見る人の記憶や行動につながること。私たちは、情報と人との関係をつくるグラフィックデザインを目指しています。


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株式会社Piece of CAKE(ピースオブケイク)は、茨城県水戸市を拠点とするデザイン事務所です。グラフィックデザイン、Webサイト制作、ブランディング、映像制作などのクリエイティブ支援を行っています。また、自社メディア「Piece of CAKE Editorial View」にて、AIとデザインの最新動向を発信しています。ブランドのアイデンティティ構築やロゴ制作のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

→ 【企業の変化を見る】Becoming Stories
     https://note.com/poc_design/m/mfa19d5a86453

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Tomohiro Yonekawa

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